Home 富士通、GaN HEMT向け新薄膜形成

富士通、GaN HEMT向け新薄膜形成に成功

富士通は2019年7月25日、2019年度第1四半期(2019年4月〜7月)業績を発表した。LSI、電子部品で構成されるデバイスソリューション事業は、売上高が前年度同期比35.6%減の846億円、営業損益は前年度同期から84億円悪化、77億円の赤字となった。このうちLSI事業の売上高は同80.7%減の179億円となった。
半導体販売会社(富士通エレクトロニクス)、電子部品製造会社を2018年度第4四半期に連結から外すなどの事業再編を進めたことにより、大幅な売り上げ減となった。営業利益についても国内工場の再編費用増加により減益となった。
2019年度通期のデバイスソリューション事業の業績見通しは、売上高が前年度比38.4%減の3,000億円、営業利益はゼロとなっている。LSI事業については売上高400億円にまで縮小する見通しである。
  富士通、富士通研究所は2019年12月5日、気象レーダなどのパワ

ーアンプに使用されているGaN HEMTの表面に、放熱性の高い

ダイヤモンド膜を形成する技術を開発したことを発表した。

レーダーシステムに用いるトランジスタは、長距離対応にとも

なう高出力化のため発熱量が増大する。その発熱により性能が

劣化するため、冷却装置が必要となるが、高価かつ空調設備も含

めた全体システムが大型になり設置場所が制限されるため、冷却

装置の簡素化・小型化が課題となっている。富士通は、GaN

HEMTの基板と単結晶ダイヤモンドを常温で接合する技術を用い

てGaN HEMTの裏面側から効率的に放熱させることに成功してい

るが、より高い放熱効果を得るためには、表面側にも放熱に優れ

たダイヤモンド膜を形成する技術が必要となる。しかし、一般的

なダイヤモンド膜の形成温度は900℃程度と非常に高温であるた

め、GaN HEMTを破壊してしまうという問題があった。

今回、GaN HEMTが破壊されない低温(約650℃)において、

GaN HEMTの表面に放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術

を開発し、動作時の発熱量を40%低減することに成功した。これ

により冷却装置の簡素化を実現し、GaN HEMTを利用したレーダ

ーシステムの小型化が可能となる。

GaN HEMTの表面全体に直径数nm程度の極めて微小なナノ

ダイヤモンド粒子を配置する。その後、このナノダイヤモンド

粒子を高い熱エネルギーを持ったメタンガスにさらすことによっ

て、メタンガス中に含まれる炭素をダイヤモンドに変化させ、

配置した粒子に取り込ませることができるようになる。この

ダイヤモンド形成時の圧力やダイヤモンドの原料となるメタン

ガスの濃度によってメタンガスが受け取る熱エネルギーが変化

することに着目し、低温条件でありながら特定の方向を向いた

ナノダイヤモンド粒子を選択的に大きくできることを見出した。

これにより、ナノダイヤモンドを1000倍大きなμmサイズの

ダイヤモンドへと変化させることが可能となる。その結果、熱

がダイヤモンドの中を通りやすくなり、GaN HEMTの放熱を

効率よく行うことができるようになる。

今後、気象レーダーシステムや次世代無線通信システムなど

への適用に向けて、高放熱GaN HEMT増幅器の2022年度の実用

化を目指す。

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最終更新 2019年 12月 10日(火曜日) 10:02  

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