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大きな熱電変換出力因子を示す、GaNによる半導体二次元電子ガス

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上図:(a) 一般的な半導体(不純物添加)と(b) 半導体二次元電子ガスの熱電出力の模式図
    
  
●北海道大学、韓国・成均館大学校、産業技術総合研究所(産総研)の共同研究グループは11月27日、GaNからなる半導体二次元電子ガスが、既に実用化されている熱電変換材料に比べて2~6倍の大きな熱電変換出力因子を示したと発表した。
  
●ZTで表される熱電変換性能指数が1を超える熱電変換材料がいくつか実用化されているが、これらの材料は資源が少ないことから高価であり、化学的・熱的な安定性が低いことと、それに伴う毒性などの問題点があり、大規模な実用化への障害となっている。
  
●そこで同研究グループは、GaNの高い電子移動度に着目した。ケイ素などの不純物を混ぜ込んだ一般的なGaNでは大きな熱電出力が得られないため、静電気によって窒化ガリウム結晶の中の電子を薄い領域に寄せ集めることで導電率を高める半導体二次元電子ガスを用いている。
  
  
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上図:半導体二次元電子ガスと一般的な半導体窒化ガリウムの(a)熱電変換出力因子と(b)電子移動度
  
●計測の結果、半導体二次元電子ガスの熱電変換出力因子は最大で約9mWm-1K-2と、極めて大きいことが分かった。これは、一般的なGaNの10倍以上であり、既に実用化されている最先端の熱電変換材料の2~6倍に相当するという。
  
●今回の発見は、半導体二次元電子ガスのように高い電子移動度を維持しながら電子濃度を制御できる構造が、熱電材料の高性能化の鍵であることを明確に示すものとなる。今回使用したGaNの半導体二次元電子ガスは、非常に高価な単結晶基板の上にしか作製できないことに加え、熱伝導率が大きいことから、そのまま実用化に繋がるものではない。しかし同モデルは、実用化を控えた熱電材料を高性能化するための材料設計指針を与えることが期待される。
  
(画像は産総研 プレスリリースより)
  
  
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最終更新 2017年 12月 04日(月曜日) 09:46  

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